国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
QST病院(旧 放射線医学総合研究所病院)

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重粒子線治療とは

重粒子線治療の特徴

重粒子線治療では、陽子より12倍重い炭素粒子を用いているため、線量集中性と生物効果の両面において、がん治療に適した性質を有しています。

  • 体内で高線量域(ブラッグピークという)を形成しますので、従来のX線よりもがん病巣に狙いを定めた照射が容易で、その分周囲の正常組織への影響が少なくなります(図1、2)。
  • ピーク部分の生物効果(細胞致死作用)は、X線や陽子線より2~3倍大きいという性質がありますので、従来のX線に抵抗性を示すがんにも有効です(図3、4)。
  • 上記の1と2はがん治療に適したかたちで表現されます。 つまり、重粒子線の生物効果(細部致死効果)は体表面近くでは小さく、深くなるほど大きくなりピーク部分で最大になるという特徴があります。従って、重粒子線のピーク部分を病巣の位置とサイズに合わせてやれば、病巣は周囲の正常組織より物理的にも生物学的にも大きな線量(影響)を与えることが可能になるわけです。
図1. X線と重粒子線の線量分布の比較
図1. X線と重粒子線の線量分布の比較
図2. X線と重粒子線の線量分布の比較(頭蓋底腫瘍)
図2. X線と重粒子線の線量分布の比較(頭蓋底腫瘍)
図3. 照射により発生する2次粒子の分布
図3. 照射により発生する2次粒子の分布
図4. 重粒子線の深部線量分布
図4. 重粒子線の深部線量分布

適応となる疾患・照射時間の目安

保険診療として治療されている疾患

疾患照射期間の目安
骨・軟部肉腫(手術が困難なもの)4週間
頭頸部がん(鼻・副鼻腔・唾液腺等)4週間
頭頸部がん(涙腺がん)3週間
前立腺がん3週間

先進医療として治療されている疾患

疾患照射期間の目安
肺がん(非小細胞型)(局所進行がん)4週間
肺がん(非小細胞型)(Ⅰ期のがん)1日~3週間
食道がん(Ⅰ期)3週間
肝臓がん2日~3週間
膵臓がん3週間
腎臓がん3週間
子宮がん5週間
大腸がん(術後再発)(手術が困難なもの)4週間
肺転移1日~3週間
肝転移1日~3週間
リンパ節転移3週間~4週間

臨床試験として治療されている疾患

疾患照射期間の目安
眼腫瘍(悪性黒色腫)1週間
食道がん(Ⅱ・Ⅲ期、手術前の照射)2週間
乳がん1週間
腎臓がん1週間