国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
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その他の疾患

その他の疾患に対する重粒子線治療について

適応について

重粒子線治療はまだ研究段階にあります。すでに研究の結果が評価されて保険診療となった疾患や、適応を厳密に定めたうえで先進医療としての実施が許可されたもの以外の疾患や病態のなかにも、重粒子線治療を行うことが患者さんの利益になると考えられるものがあります。現在、臨床試験が施行されている疾患もありますが、それらの他にも、将来的に重粒子線治療の適応の拡大につながる可能性があると判断して治療の対象となる場合もあります。

ただし、無条件にどのような疾患、病態でも重粒子線治療の適用を試みているわけではありません。重粒子線治療を適応するための重要な条件は下記の3点です。

  • 他の治療法が適用できないか、良好な結果が期待できない。
  • 重粒子線治療による局所的な治療効果が、患者さんに大きなメリットをもたらす。
  • 理論的に、あるいはこれまでの経験から、重粒子線治療により他の治療よりも良好な結果が得られる可能性がある。

この3点を満たしており、現在、臨床試験が行われていない疾患として考えらえるのは、例えば以下のような場合です。

  • 身体各部のT1-2N0M0がん(早期例)のうち全身的な理由で手術不適例あるいは手術を拒否したもの
  • 身体各部の局所限局性の進行がん
  • 転移または再発がんで局所に限局しているもの

ただし、下記に該当する患者さんは適応とならないこともあります。

  • 対象病巣以外にもがんを有する患者さん
  • 診断が確定していない患者さん
  • 著しく全身状態の不良な患者さん

重粒子線治療の適用は、患者さんごとに慎重に検討したうえで最終的にキャンサーボードで判定されます。重粒子線治療を受けることを強く希望されていても、治療を受けられない場合もあることをご了承ください。