国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
QST病院

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乳がん

乳がんに対する重粒子線治療について

適応症

「切らずに治すがん治療」を目標に、当院では早期乳がんに対する臨床試験を行なっております。

                     

当院での乳がんに対する臨床試験に対して、ご質問のあるかたは、下記メールアドレスでも承っております。

                     

当院の乳がんに対する臨床試験に関するお問い合わせについてのみ、お受け致しております(対応向上の観点から、メールでのやりとりは全て記録しておりますことを、予めご了承ください。)。

                    

    ml-breastcirt☆qst.go.jp

※上記の「☆」記号を「@」記号に置き換えて下さい。

                       

乳がんへの重粒子線治療については、現在、2つの臨床試験を実施しています。

疾患名
「乳腺I」(登録終了)60歳以上のI期乳がん
「乳腺II」(募集中)20歳以上の0-I期乳がん
「乳腺III」(募集中)50歳以上の0-I期乳がん

早期(0-I期)の乳がんに対して、「手術のかわりに重粒子線治療を行う」臨床研究が行われています。検査等については保険診療となりますが、重粒子線治療にかかる患者さんの費用負担はありません。                          
乳癌診療ガイドラインに基づき、「乳腺II」は重粒子線治療後、補助療法(乳房へのX線照射、ホルモン療法等)が行われます。                          
「乳腺III」は重粒子線治療後、ホルモン療法が行われます。

1. 「乳腺I」:60歳以上のI期乳がん(UMIN000010848)

・2020年5月で無事、参加登録終了となりました。

2. 「乳腺II」:20歳以上の早期(0-I期)乳がん(UMIN000029478)

●適格基準

下記の基準を全て満たす症例を対象とする。

                     

1.針生検もしくは吸引式組織生検で証明された浸潤性乳管癌あるいは非浸潤性乳管癌である。

2.MRIで腫瘍の進展範囲が20mm以内の単発である。

3.広範なリンパ管浸潤(LVSI)、広範な乳管内進展(EIC)がない。

4.通常診療において、リンパ節転移がなく、治療前検査のセンチネルリンパ節生検にて2 mmを超えるリンパ節転移がないことが確認されている。(同意取得後に2 mmを超えるリンパ節転移が確認された場合不適格とする。)。

5.臨床的および画像診断にて遠隔転移がないことが確認されている。

6.PSは0~2である。

7.20歳以上の女性である。

8.6か月以上の生存が見込まれる。

9.本人が試験参加を希望しており、文書による同意が得られている。

●除外基準

                                    

下記の除外基準に1つでも当てはまる症例は対象としない。

                     

1.治療に耐えられない重篤な合併症(例えば制御困難な心肺疾患、難治性の感染症、制御困難な精神疾患など。)を有する。

2.同側乳癌に対して手術・化学療法・内分泌療法・分子標的薬剤などの治療歴がある。

3.活動性の重複癌(対側乳癌を含む。)に対して全身薬物療法中である。

4.MRI画像上同定できる乳管内進展等を含めた腫瘍辺縁と皮膚との距離が5mm以内である。

5.当該照射部位に放射線治療の既往がある。

6.乳腺Ⅰあるいは乳腺Ⅲ臨床試験の適格症例である(乳腺Ⅰあるいは乳腺Ⅲ臨床試験への登録を優先する。)。

7.妊娠中である。

8.医学的、心理学的または他の要因により担当医師が不適当と考える。

             

3. 「乳腺III」:50歳以上の早期(0-I期)乳がん(UMIN000041032)

●適格基準

下記の基準を全て満たす症例を対象とする。

                     

1.生検あるいは組織診で証明された非浸潤性乳管癌あるいは浸潤性乳管癌(通常型)である。

                      

2.MRIで腫瘍の進展範囲が20mm以内の単発で、Union for International Cancer Control:UICC(国際がん連合)の臨床病期が0-Ⅰ期(Tis-1NOMO)である。

   

3.広範なリンパ管浸潤(LVSI)、広範な乳管内進展(EIC)がない。

           

4.浸潤性乳管癌の場合、サブタイプがLuminal A likeである。

5.PSは0~2である。

6.50歳以上の女性である。

7.6か月以上の生存が見込まれる。

8.本人が試験参加を希望しており、文書による同意が得られている。

●除外基準

                                    

下記の除外基準に1つでも当てはまる症例は対象としない。

                     

1.治療に耐えられない重篤な合併症(例えば制御困難な心肺疾患、難治性の感染症、制御困難な精神疾患など。)を有する。

2.同側乳癌に対して手術・化学療法・内分泌療法・分子標的薬剤などの治療歴がある。

3.活動性の重複癌(対側乳癌を含む。)に対して全身薬物療法中である。

4.腫瘍の胸壁あるいは皮膚浸潤がある。

5.MRI画像上同定できる乳管内進展等を含めた腫瘍辺縁と皮膚との距離が5mm以内である。

6.当該照射部位に放射線治療の既往がある。

7.医学的、心理学的または他の要因により担当医師が不適当と考える。

その他に参加をご遠慮いただくいくつかの条件があります。臨床試験への参加については、診察や検査の結果をよくみた上で担当医が判断します。詳しくは担当医が説明します。

なお、乳がんに関して重粒子線治療が先進医療として行われているのは、以下の場合です。

疾患名
1転移性肺腫瘍(少数転移性肺腫瘍、3個以下)
2転移性肝腫瘍(少数転移性肝腫瘍、3個以下)
3転移性リンパ節(少数リンパ節転移、原則として一リンパ節領域に限局するもの)