国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
QST病院(旧 放射線医学総合研究所病院)

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肝臓がん

肝臓がんに対する重粒子線治療について

適応症

肝臓がんへの重粒子線治療は、令和4年4月より一部が保険適用となりました。

 【保険適応】                           
疾患名適応
1肝細胞がん既存の根治的治療が困難な肝細胞がん(長径4cm以上に限る)
2肝内胆管がん切除不能または再発性肝内胆管がん
 【先進医療】                                                     
疾患名適応
1肝細胞がん既存の根治的治療が困難な肝細胞がん(長径4cm未満)
2転移性肝腫瘍少数転移性肝腫瘍(oligometastatic,3個以下)

肝細胞がんについては、肝臓の外には病変がなく、多発でない場合(3個以下が目安)にはよい適応となります。既存の局所治療である、手術やラジオ波焼灼術が、病変の配置や肝機能、合併症などを理由に適応とならない場合にも重粒子線治療であれば治療できる場合があります。一方で、消化管が近い場合など、重粒子線治療よりは手術やラジオ波焼灼術をお薦めする場合もあります。
肝内胆管がんについては、肝臓の外には病変がなく、腫瘤形成性と呼ばれる、塊をつくるタイプの病変が適応となります。標準治療である手術をまずはお薦めしますが、病変の配置や肝機能、合併症などから手術ができない場合にはよい適応となります。
転移性肝腫瘍については、多発でない場合(3個以下が目安)で、肝臓以外の病変が制御されていることが条件となります。今の病気の状態のほか、これまでの病気の経過によっては他の治療法をお薦めする場合もありますが、まずはご相談ください。

治療実績

疾患名期間例数
1肝細胞がん2013-2017131
2肝内胆管がん2013-20173
3転移性肝腫瘍2013-201730

多施設共同でまとめた結果では2005年から2014年に治療した174例の成績で、局所制御率(治療した病変が制御できている割合)が2年で87.7%、全生存率が2年で82.5%でした。一方で副作用については、一定以上の治療介入が必要な副作用(Grade3以上)は10例(5.7%)のみで認められました。※1
転移性肝腫瘍については、元の病気がそれぞれ異なりますので一律の治療成績は出せませんが、大腸がんからの転移性肝腫瘍で、一定の基準を満たす方を対象とした臨床試験では3年の局所制御率は82%でした※2
肝内胆管がんについては、症例が少ないため、治療成績は算出できません。

※1 Shibuya, Tsuji et al. Cancer. 2018; doi: 10.1111/liv.13969
※2 Makishima et al. Cancer Science. 2018; doi: 10.1111/cas.13872