国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
QST病院

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食道がん

食道がんに対する重粒子線治療について

適応症

食道がんへの重粒子線治療が先進医療として行われているのは、以下の場合です。

疾患名適応
1食道がん臨床病期I期の原発性食道がん

● 臨床病期I期の原発性食道がん

リンパ節や他の臓器への転移がない粘膜下層までの食道がん(組織型問わない)が対象です。
化学療法は併用せず、重粒子線単独での治療を行っています。治療期間は12回、約3週間です。

治療実績

疾患名期間例数
1臨床病期I期の原発性食道がん-201838

1.臨床病期I期の原発性食道がん

2012年までに治療したT1bN0(I期)食道がん16例の解析※1、※2を示します。有害反応は早期反応として2例のGrade3の食道炎を、2例のGrade3の血液毒性を認めましたが、通常の化学放射線療法で認められるような心肺合併症は認めていません。また、Grade3以上の遅発性反応は解析対象内に1例も認めていません。16 例中4例に局所再発を認めましたが、救済治療が安全に施行されました。全体の3年、4年全生存率はそれぞれ100%、83%でした。当院の重粒子線治療は、化学療法を用いないことから、化学療法や外科的療法等の他治療が困難と考えられる患者さん(ご高齢の方や全身既往症のある方)にも有用な治療であると考えられます。

※1 Yasuda S. Capter 23 Esophageal Cancer
※2 Tsujii H, et al.Carbon-Ion Radiotharepy. Principle, Practice, and Treatment Planning, Springer, 2014