分子イメージング診断治療研究部

分子イメージング診断治療研究部は、分子イメージングを用いた診断やそれを利用した治療を研究しています。分子イメージングとは、生体内で起こる様々な生命現象を分子レベルで捉えて身体を傷つけることなく画像化するもので、これを応用したPETやMRIなどの診断法は幅広く臨床応用されてきました。昨今診断(diagnosis)を治療(therapy)に融合直結させる「診断治療の融合」(theranostics)という新しい分野が世界的に注目されています。我々はこの「診断治療の融合」を一つのテーマとして、分子イメージング診断とその治療への応用、個別化医療の実現などを目指して、PETやMRI、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)などを用いて、基礎的研究、医工連携研究、前臨床研究、臨床応用研究などの幅広い分野でがんを中心とした研究に取り組んでいます。

研究テーマ

がんの分子標的イメージング・標的アイソトープ治療の開発研究

私たちは、イメージングと治療の両方に利用できる薬剤の開発研究を行っています。がんには、正常臓器とは異なる特徴的な分子が発現しており、それらを目印にしてがんに放射性核種を効率よく運ぶことができれば、がんに特異的なイメージングや治療が可能となります。私たちは、標的となる分子を認識する抗体やペプチド等をイメージングに適した放射性核種(ガンマ線放出核種やポジトロン放出核種)で標識し、がんモデル動物でがんや正常臓器への集積を評価して新しいがん標的イメージング法を開発しています。また、治療に適した放射性核種(α線放出核種やβ線放出核種)で標識し、標的アイソトープ治療薬剤としての基礎的評価も行っています。

医工連携画像診断研究

最新画像計測技術の導入および新規技術の開発を、医工連携を軸として部門横断的に行い、その臨床応用を通して、画像診断・治療研究を進めていきます。これと平行して上記で取得されるデータの生理学的背景の探索を行い、分子イメージング研究としての基礎的エビデンスを確立・発信します。また、それぞれの手法の高い安全性を維持するため、日本国内外の基準に準拠した安全性評価と品質管理を行っていきます。

機能・分子イメージングの前臨床研究開発

病気を発見し、理解し、治療を含めた医療に還元するために、新しいイメージング技術や造影剤を開発し、病気へ適用する研究を行っています。安全に体内を観察できる高磁場MRI技術を基盤に、疾患の構造や病態を可視化する機能性造影剤(例えば細胞機能や障害発生を予測する造影剤、機能性ナノ粒子によるセラノスティクス)、脳機能やその同調性解析、PETや光学技術を必要に応じて組み合わせるマルチモーダル、高精度イメージングを達成するための先端的装置・撮像法・情報技術等の研究開発に取り組んでいます。開発した技術は、病態モデルによる前臨床研究にて有効性を検証し、より高精度の診断技術や幅広い分野の医学研究に役立てます。

お問い合わせ
機能分子計測チーム チームリーダー 青木伊知男
E-mail: fmit3=qst.go.jp(=を@に置き換えて送信してください)

PETイメージング臨床応用研究

PET画像診断に代表される分子イメージングは、病気を分子レベルの異常としてとらえ、全身を短時間かつ非侵襲的に撮影できる特徴があります。私たちは臨床研究病院で重粒子線治療前後の病状把握に欠かせないPET検査を担当すると同時に、がんの特異的な分子標的マーカーとなるアミノ酸やペプチド、抗体などに着目し開発された薬剤を用いて新しいPET分子イメージング画像診断の臨床展開を行っています。がん分子標的薬剤治療法とも密接な関わりを持つ画像診断でもあり、個々に合わせたがんの予防・治療を可能とする効果的・効率的な個別化医療(オーダーメイド医療)の実現に寄与する新しい画像診断を国内外に広く発信していきます。

標的アイソトープ治療開発研究

ラジオアイソトープを用いた標的アイソトープ治療は、根治が難しい転移を持つがんの治療に用いられ、全身療法の役割を持っています。近年、がん表面抗原やペプチドに関する研究から抗体やペプチドなどを利用した新たながん標的細胞への薬剤送達法が開発され、この技術の応用から新世代の標的アイソトープ治療用薬剤の開発が行われるようになってきました。さらに従来から使用されているβ線放出核種に加えα線放出核種を用いた治療用薬剤の開発も始まりました。この中で本研究グループは臨床応用に繋がる標的アイソトープ治療用薬剤の開発につき基礎的な研究開発に取り組み、国内各治療拠点と連携して新規治療法開発に取り組んでいます。

Strategy of Cancer Treatment with Molecular Imaging Theranostics

研究チーム

関連リンク

AMR and Diagnositic Imaging

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