脳機能イメージング研究部

統合失調症、うつ病やアルツハイマー病などの精神・神経疾患を対象に、その病態の理解および早期診断、さらに薬物などによる治療の評価法の開発を目標として臨床研究および基礎研究の両面からアプローチします。そして、それらの連携により精神・神経疾患における分子診断指標を確立し、いろいろなイメージングバイオマーカーを用いて新しい薬や治療法の開発に貢献していくことを目指します。

研究部概要

研究テーマ

脳機能および精神・神経疾患の病態と治療評価に関する臨床研究

認知症やうつ病、統合失調症などの精神・神経疾患を対象に、ポジトロン断層装置(PET)や磁気共鳴断層装置(MRI)を用いて臨床研究の立場からその病態解明や早期診断法、治療評価法の開発に取り組んでいます。PETはさまざまな放射性薬剤いわゆる分子プローブを用いることにより脳神経受容体などの脳神経伝達機能の分子指標を生体において定量的に画像化することができるツールですが、これとMRIによる心理学的、生理学的負荷試験下での脳神経活動の計測や脳神経線維構築等の解剖学的な計測を組み合わせて統合的に精神・神経疾患の病態を理解し、病態の分子指標の確立を目指します。

精神・神経疾患発症の分子メカニズムに関する基礎研究

精神神経疾患モデル動物の生体イメージング技術を病理・生化学・行動・電気生理などの解析技術と組み合わせることにより、疾患が起こるメカニズムを解明し、診断や治療に直結する薬剤の開発を進めることを目的としています。生体イメージングとして蛍光・MRI・PETなど様々な技術を駆使していますが、特にPETはモデル動物とヒトで共通の薬剤と撮影技術を使用できるメリットがあり、同じ指標で双方の病態を比較することで、ヒトの病態メカニズムの詳細を明らかにしたり、よりヒトの疾患に近いモデルを開発したりすることが可能です。

タウ病変PET薬剤として独自開発した[11C]PBB3を投与後の、マウス脳PET画像
正常マウスでは脳内の薬剤集積量はわずかだが、タウ病変モデルマウスでは薬剤集積が見られ、特に脳幹(白矢印)で強い集積が認められる。スキャン後に脳を摘出して調べると、脳幹で多数のタウ病変が見出され、PET画像はタウの蓄積を反映することが分かる。

TSPOのPET薬剤である[11C]Ac5216を投与後の、マウス脳PET画像(冠状面)
正常マウスでは脳内の薬剤集積量はわずかだが、タウ病変モデルマウスでは神経細胞死が起こる9-12ヶ月齢よりも早い段階で、海馬(白矢頭)で集積増加が認められ、加齢に伴いさらに増加する。

脳機能局在の分子メカニズムに関するトランスレーショナル研究

不安や恐怖などの感情が正しく抑制され、やる気がみなぎることは、たちの豊かな精神生活の基本です。感情や意欲など、情動のコントロール機能に不全が生じると精神・神経疾患にみられるさまざまな症候を引き起します。ポジトロンCT(PET)など分子イメージング手法を中心に、霊長類モデル動物の情動に関わる脳情報を解析することで、複雑な脳神経ネットワーク内で情動がコントロールされる仕組みを明らかにし、精神・神経疾患の病態解明や診断・治療法の開発につなげます。

パーキンソン病モデルサルにおけるドーパミン神経脱落の程度を[11C]PE2IによるPET画像で評価し、それぞれの脳位置における運動障害の進行との関連の強弱を色表示・立体画像化したもの。高い関連を示す赤い部位は線条体被殻外側部。(Nagaiら2012から改編)

研究チーム

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