放医研が「WHO協力センター※1」として指定される
- WHOとのパートナーシップをさらに強化へ -

2013年10月4日
独立行政法人 放射線医学総合研究所(理事長:米倉 義晴)

本発表のポイント

 独立行政法人放射線医学総合研究所(米倉義晴理事長、以下、放医研)は、9月2日付で、世界保健機構 (World Health Organization、以下、WHO)から「緊急被ばく医療」、「診療用放射線による被ばく」、「ラドンによる被ばく」に関する5分野で協力センター(WHO Collaborating Centre)として指定を受けました。
 放射線と人々の健康に関わる研究所である放医研は、既に2004年1月よりWHOの緊急被ばく医療ネットワーク(REMPAN※2)について連絡機関(リエゾン機関)として協力しておりました。今回、さらに上位の位置付けである協力センターとして正式な構成員指定を受けました。これは、医療や健康分野で活躍する国連の専門機関であるWHOからも放医研の研究活動の重要性が認められたということになります。
 また、放医研は、既に国際原子力機関の協働センター(IAEA Collaborating Centre)として、「放射線生物影響」、「分子イメージング」、「重粒子線治療」の3つの研究分野において活動しておりますが、今回の指定により、1957(昭和32)年の創立以来放射線と人々の健康に関わる総合的な研究開発に取り組む国内で唯一の研究機関としての活動に対し、様々な国際機関からパートナーとして役割を期待されていることが示されました。
 WHOの協力センターとしての指定期間は4年間(更新可能)です。期間中、放医研は、放射線医科学の専門機関として、その特殊かつ高度な施設、多様な人材を駆使し、情報の蓄積・発信、シンポジウムの開催などによる加盟国の専門家との知見交換、研修プログラムの実施による加盟国の専門家の育成等を行います。放医研の研究成果を国内のみならず国外にも還元し、世界の人々の健康のために貢献していきたいと考えています。

WHO協力センターとしての活動

 平成25年9月~平成29年9月の4年間における、放医研のWHO協力センターとしての活動分野は以下の5分野です。

(放医研の活動分野)

 上記5つの活動分野における、研究成果・調査等の情報の蓄積と発信、シンポジウムの開催などによる加盟国の専門家との知見交換による知識の共有、及び研修プログラムの実施により加盟国における放射線医科学分野の専門家育成等を実施する予定。

用語解説

※1 WHO協力センター(WHO Collaborating Centre)

 WHO協力センターは、国際保健活動に関わるWHO所管事業の遂行をサポートするため、WHOにより指定された各加盟国・地域の研究・実験施設。WHOにより独自に設立・運営されるのではなく、各加盟国・地域ですでに機能している研究・実験施設が、WHOの所管する国際保健事業に協力することを前提として、WHOからの指定を受けて活動する。
 2012年現在で80超の加盟国から800超の機関が協力センターに認定され、看護、労働衛生、伝染病対策、栄養学、メンタルヘルス、生活習慣病、緊急被ばく医療、健康技術等の領域においてWHOと協働している。具体的にはWHOの健康理念をさらに展開していくために領域ごとにネットワーク化され、研究、研修トレーニング他の支援協力活動を実施している。

※2 REMPAN(緊急被ばく医療ネットワーク)

 REMPANは世界のどこかで放射線被ばく事故が発生した場合に助言できる医療と線量計測専門家からなるWHOによるネットワークで、「Radiation Emergency Medical Preparedness and Assistance Network」の略。
 チェルノブイリ事故後の1987年に緊急被ばく医療の国際的な協力体制として設立。放射線に被ばくした人々への緊急医療支援と公衆衛生支援及び放射線事故の犠牲者の長期間の療養とフォローアップの促進、緊急被ばく医療・治療法・生物学的線量測定・放射線疫学の研究を目的として活動を行っている。実際の活動としては、IAEAと連携した放射線人身事故発生国への医療専門家派遣、情報の共有等である。
 2013年1月現在、13のWHO協力センターと31の連絡機関(リエゾン機関)からなる。日本からは公益財団法人放射線影響研究所(1988年~)と長崎大学原爆後障害医療研究所(2004年~)がWHO協力センターに指定されている。放医研は2004年1月よりREMAPNの連絡機関に指定されていたが、今回WHO協力センターとして新たに承認、指定され、研修トレーニング等の支援協力活動を実施することとなった。

※3 BioDoseNet

 BioDoseNetは、大規模な放射線による災害時等に、生体試料による線量評価を関係機関で協力し、多数行うためにWHOにおいて構築された世界的なネットワークである。
 被ばく線量の評価法として、染色体分析などの生体試料分析は重要な方法である。2007年にWHOの生体試料計測に関する会議が開かれ、そこで生体試料の分析が可能な研究施設の連携のため、BioDoseNetの枠組みが決定された。大規模な放射線による災害時には、単独の研究所で生体試料による線量評価を多数行うのは困難であるため、世界的なネットワークで線量評価を実施し、患者の医学的マネジメントに役立つべく対応することにしている。(2012年8月現在、38カ国57研究所以上が参加している。)

プレスリリースのお問い合わせ

ご意見やご質問は下記の連絡先までお問い合わせください。

独立行政法人 放射線医学総合研究所 企画部 広報課

Tel:043-206-3026 Fax:043-206-4062

E-mail:info@nirs.go.jp

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