医師向け

肝細胞癌

試験デザイン

研究概要・目的

根治切除不能かつ穿刺局所療法不適(初回治療、治療歴なし)の肝細胞癌患者に対する重粒子線治療の有効性と安全性を、多施設共同臨床試験にて評価する。

試験の背景

重粒子線は線量集中性に優れており、生物効果も高い放射線ですので、肝臓癌の治療に適した放射線であると考えられます。放医研では、千葉大学をはじめとする多くの消化器外科、消化器内科の協力の下、肝臓癌治療における重粒子線治療の有用性を実証するための臨床研究を行って来ました。

その結果、肝動脈化学塞栓療法(TACE)が標準治療となる肝細胞癌症例においても、TACEに比較して良好な局所制御率が得られること、また、副作用発生率も低いことが示されています。この結果は、兵庫県立粒子線医療センター、群馬大学重粒子線医学研究センター、九州国際重粒子線がん治療センターなどの追随する施設でも再現されています。

今回、これらの事実を前向きに証明し、保険収載申請のためのエビデンスとするために、切除不能、局所療法不適の肝細胞癌に対する多施設共同臨床試験を行うことになりました。主要評価項目は3年生存割合ですが、費用対効果の解析にも対応するために、有害事象やQOL評価も行っていく予定です。

研究デザイン

非ランダム化、単アーム、多施設共同。

主要評価項目

全生存期間(3年全生存割合)。

副次的評価項目

  1. 無憎悪生存期間(3年無憎悪生存割合)
  2. 局所無憎悪生存期間(3年局所無憎悪生存割合)
  3. 有害事象発生割合
  4. 放射線肝障害(Radiation induced liver disease;RILD(注))の発生割合

(注)4か月以内の非黄疸性の腹水貯留またはGrade3以上のトランスアミナーゼ値上昇。有害事象のGradeは「有害事象共通用語規準ver4.03日本語訳JCOG/JSCO版」により評価する。

対象者

根治切除不能かつ穿刺局所療法不適の肝細胞癌患者。

試験治療方法

医用重粒子線加速器および照射装置を用い、1日1回以下の線量分割で行う。

  • 1回15.0Gy(RBE)、合計4回、総線量60.0Gy(RBE)(週4回法)
    ただし、門脈一次分枝、門脈本幹、消化管の少なくとも1つと主病変との距離が10mm以下の場合は以下の線量分割を用いることも許容する。
  • 1回5.0Gy(RBE)、合計12回、総線量60.0Gy(RBE)(週4回法)

目標症例数

130例。